「リスキリング」とは?意味と導入方法などわかりやすく解説!
2024年3月4日 15:50
最近よく耳にするようになった「リスキリング」という言葉。
一体どんな意味なのか、なぜ話題になっているのか?
今回は「リスキリング」についてわかりやすく解説します。
目次
[1]リスキリングとは?
[2]なぜリスキリングが必要なの?
[3]リスキリングとリカレント
[4]リスキリングを行なうメリット
[5]リスキリングの進め方
[6]リスキリング実施のポイント
[7]リスキリングの事例
[1]リスキリングとは?
経済産業省の定義では、リスキリングとは
「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」
とされています。
具体的なリスキリングの例としては、AIの活用やプログラミング、ITシステムを使うスキルなどの習得を目指すことが多く挙げられます。
リスキリングによって社員が新たなスキルを習得することで、DX推進を加速させ、人材不足や採用コストなど企業が抱える課題を解消することができます。
[2]なぜリスキリングが必要なの?
1.DX推進
DXとはデジタルトランスフォーメーションの略で、コンピューターやAIを活用し社内のIT化を進める取り組みのことです。
DXを進めると、業務効率が上がり、より良いサービスを提供できるようになりますが、現場の実践には従業員がデジタルに関する知識やスキルを習得しなければなりません。
そこで必要になるのが「リスキリング」です。
2.働き方の変化
近年ワークライフバランスの安定を重視する人が増えたことも理由の一つですが、大きなきっかけとなったのは新型コロナウイルスの流行でしょう。
これまでの働き方では対応できない例もあり、テレワークの実施などが進みました。
ここでも、テレワークやオンラインでのやり取りへの移行に伴い、「リスキリング」の必要性が出てきました。
[3]リスキリングとリカレント
リスキリングに似た言葉として、「リカレント」があります。この項目では、よく似た2つの言葉の違いを見ていきましょう。
リカレントとは、主に「自主的な学び直し」という意味で使われており、個人が主体となり自らの意思で学ぶことです。方法としては大学に入り直す、オンライン講座を受ける、独学など様々ですが、職業には直結しない生涯学習もリカレントに当たります。
反対に、リスキリングは個人主体ではなく、「企業」が主導します。成長領域において新しいビジネスを生み出し、より付加価値の高い仕事を任せられる従業員を育成するために行われるのがリスキリングです。リスキリングは、社内教育のうちの一つとして「企業が従業員に新しいスキルを身につけてもらう」ことが軸となっています。
[4]リスキリングを行なうメリット
・人材不足対策になる
自社に必要な人材を確保するために、リスキリングが有効です。最近では、データを活用した業務改善やマーケティング強化を行う企業が増えている一方で、デジタルに精通している「IT人材」は需要に対して供給が不足しています。新たに採用することが難しい人材を自社で育成することで、現在だけでなく将来の人材不足への対策にもなります。
・採用コストが削減できる
先述の理由から、IT人材の新規採用では、コストがかかる可能性があります。
採用よりも社内教育に注力した方が、効率的に優秀なIT人材を確保できる場合もあります。
・スキルの応用がスムーズ
リスキリングでは、従業員が既に社風や体制を理解していることが多いため、新しい人材を採用するよりも体制変更やDX活用を進めやすくなります。
社内の従業員は文化を分かっているからこそ、リスキリングで得たスキルの応用方法をイメージできるでしょう。
さらに、従業員が新しいスキルを習得できるので、社内に新しい考えが生まれやすくなります。リスキリングを上手に活用できれば、事業が時代遅れになったり、風潮の変化による経営悪化を防ぐことも可能です。
・業務の効率化が可能
リスキリングで習得した内容をDXに活かすことができれば、業務の効率化が見込めます。
効率的に業務を進めることで、残業を減らせワークライフバランスがとりやすくなったり、新しい事業に時間を割けるようになったりと、企業と従業員それぞれの満足度向上に繋がります。
・従業員が自主的に行動できるようになる
従業員が新しいスキルを学ぶことで、キャリアアップの意識を高めることができます。
例えば、従業員自身が「積極的に業務改善を図る」「事業成長に繋がる提案を行う」などをできるようになるケースもあるでしょう。
リスキリングはスキルの習得だけではなく、従業員の自主的な活動を促す環境を作り、企業の革新性と柔軟性アップにも効果的です。
[5]リスキリングの進め方
では実際にどのようにリスキリングを導入すればいいのでしょうか?
大まかな流れとしては、以下の通りです。
stage1.テーマの決定(何を習得するか)
stage2.学習方法の決定
stage3.学習環境を整える
stage4.従業員に取り組んでもらう
stage5.実践で習得スキルを活用させる
それぞれを詳しく見ていきましょう。
stage1.テーマの決定(何を習得するか)
リスキリングは企業の経営戦略と関連している必要があるので、習得すべきスキルは企業の特徴や目標によって異なります。
そのため、まず初めに自社の業績や事業内容などのデータを参考に現状を把握しましょう。経営戦略を実現するうえで必要なスキルと、従業員が現在持っているスキルを洗い出し、リスキリングで何を習得すべきか決めます。
stage2.学習方法の決定
リスキリングの学習方法は、様々なものがあります。例えば、座学では社内研修やオンライン講座、eラーニングがあり、ほかにも実際の企画でOJTとして学習する方法もあります。
注意点としては、質の高いプログラムを用意しても、受講の順番を間違えるとスキルの習得度合いが落ちてしまうことがあります。初めに決定したリスキリングテーマに沿って獲得スキルの優先順位をつけ、構成や順番に気を付けましょう。
stage3.学習環境を整える
学習方法を決定したら、次に環境を整える必要があります。リスキリングは働きながら学ぶことが前提になるため、学習時間をいつにするかも重要です。業務時間内に学習時間を設けることで、学習内容が業務に必要であることを実感しながら学ぶことができます。
従業員が学習しやすい環境を整えることが大切です。
stage4.従業員に取り組んでもらう
プログラムと学習教材を用意したら、従業員に取りんでもらいます。あらかじめ時間を決めておくケースもあれば、好きな時間に取り組んでもらうケースもありますが、実施時間を決めるときは、従業員の意見も取り入れましょう。
stage5.実践で習得スキルを活用させる
実践では学習時には想定しなかったことが多々発生します。実践で試行錯誤を重ねることで、スキルを使いこなせるようになります。
実践できる業務が存在しない場合は、シミュレーションを実施できる環境を用意します。スキル習得には、知識を身につけるだけでなく実践でアウトプットすることも大切です。
[6]リスキリング実施のポイント
・企業が主体となり取り組む
リスキリングを成功させるには、従業員が学習内容にメリットを感じている必要があります。
そのためにも、経営層が「リスキリングが必要な理由」と「リスキリングをすることで得られるメリット」を常に従業員に発信し、理解してもらうことが大切です。
学習に取り組むのは従業員ですが、リスキリングはあくまでも企業が主体であることを忘れないようにしましょう。
・社内の協力体制を整える
社内に味方が多いほうが導入がスムーズになります。
リスキリングの良さを経営陣に伝えたり、自らが取り組んだりして賛同者を増やしましょう。
・長期的に取り組める仕組み作り
従業員がモチベーションを維持して継続できるかどうかでリスキリングの効果が左右されます。従業員が自主的に取り組める仕組みを企業が作っていきましょう。
例えば、インセンティブを用意する、評価制度を見直し成長を実感させる、社内コミュニティを作りチームで取り組ませるなどの方法があります。
[7]リスキリングの事例
今回はリスキリングのメリットや導入方法について解説してきました。最後に、実際にリスキリングを実施した企業の事例をご紹介します。
ここまでの解説を踏まえて、参考にしてみてください。
・通信業A社の場合
A社では、従業員の約半数が今後の業界の変化に対応できるスキルを持ち合わせていないことが分かり、リスキリングを実施しました。
まず企業から今後必要なスキルを開示し、従業員は自身に足りないスキルを認識した上でリスキリングに取り組みました。スキルを獲得した従業員は他部署への異動に対応し、結果として社内で不足していたエンジニアうち8割の人材を社内異動で確保することに成功しました。さらに、リスキリングに参加した従業員の昇進率が上がりました。
・B社の場合
B社では学習チームや表彰制度、柔軟な働き方に変えるなど、学習しやすい環境を提供することでリスキリングを進めました。
B社でもA社同様に経営陣が今後必要なスキルを開示しました。経営層自身も知識を習得することで発信内容に説得力を持たせ、リスキリングを社内に定着させました。
・宿泊業C社の場合
C社では顧客満足度向上を目的として、顧客情報や在庫の管理を全てデジタルツール化しました。それに伴い、全従業員がツールを使いこなせるようになるためのリスキリングを実施しました。
経営陣が繰り返しデジタル化の必要性を発信したほか、実践でデジタル活用スキルを育てました。一方で、操作ミスを許容することで従業員の不安感や抵抗感を和らげました。
データを共有することで、本来の役割の垣根を超えて自分が取るべき行動を判断できるようになりました。その結果、マルチタスク化や業務効率化に成功し、顧客満足度も向上しました。
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