英語ゼロから始める貿易事務|未経験OKなスキルと資格とは?
2025年9月19日 17:00
「英語ができないと、貿易事務には就けない」と思っていませんか?
実は、英語が苦手でも活躍できる貿易事務の仕事は意外と多く存在します。
未経験からスタートし、事務職として安定したキャリアを築いている人も少なくありません。
本記事では、英語を使わない具体的な仕事内容や、未経験でも採用されやすいスキル、キャリアアップにつながる資格の選び方、転職を成功させるための準備方法などをわかりやすく解説します。
「英語が苦手だけど事務職に転職したい」
「将来を見据えて、長く働ける仕事がしたい」
と考えている方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。

目次
[1] 英語ゼロでも大丈夫?貿易事務のリアルな仕事内容
[2] 未経験からでも始められる?必要なスキルとは
[3] 英語が苦手でもキャリアアップできる資格一覧
[4] 実務未経験からの転職成功術
[5] 今日からできる!学習の始め方と継続のコツ
[6] さいごに
英語ゼロでも大丈夫?貿易事務のリアルな仕事内容
貿易事務の基本業務とは?
貿易事務の仕事は、輸出入に関わる事務作業をサポートする業務が中心です。
主に、
- 商品の受発注
- 納期管理
- 請求書やインボイスなどの書類作成
- 貨物の出荷スケジュール調整
などを行います。
また、社内外の関係者との連絡や調整も大切な役割の一つです。
基本的にはデスクワークが中心で、業務はフォーマット化されていることが多く、手順を覚えれば対応できる内容が多いのが特徴です。
正確さや調整力が求められる仕事であり、「きちんとした仕事がしたい」「長く働ける仕事を探している」と考える方にとっては、キャリアチェンジ先として非常に現実的な選択肢です。

英語を使わずにできる仕事の具体例
「貿易事務」と聞くと、どうしても英語が必須というイメージを持たれがちですが、実際には英語を使わずに行える業務も多く存在します。
特に、国内の取引先とのやり取りや、日本語で書かれた書類の処理、社内向けの業務連絡などは、英語力がなくても十分に対応できます。
たとえば以下のような業務は、英語を使わずに対応できるケースがほとんどです。
業務内容 | 英語使用の有無 | 補足 |
---|---|---|
納期管理(国内) | なし | 社内や国内取引先との調整のみ |
請求書・伝票の発行 | なし | 社内専用システムで処理することが多い |
社内調整・連絡 | なし | 社員同士のやりとりは全て日本語 |
書類のファイリング・印刷 | なし | 説明書やマニュアルも日本語が主流 |
「英語ができないから無理」とあきらめるのではなく、どんな業務に英語が不要なのかを知ることが、転職成功の第一歩となります。
英会話が必要になるケースと対応策
一部の職場では、稀に英語のメールを読んだり、簡単なやり取りをする場面が発生することもあります。
たとえば、海外の取引先からの定型的な質問への返信や、通関書類に関する確認などです。
しかし、これらも「英語ができる社員が対応する」「翻訳ツールを使う」「雛形を使って返信する」などのサポートが用意されている場合がほとんどです。
実際、英会話が求められるケースは全体の中でも少数派であり、未経験からスタートする段階では、ほとんど心配する必要はありません。
特に「英語不要」と明記された求人を選ぶことで、英語に対する不安を持たずに仕事に集中することができます。

書類作成や通関手続きの役割とは
貿易事務においては、正確な書類の作成と管理が非常に重要です。
代表的な書類としては
- インボイス(送り状)
- パッキングリスト(梱包明細)
- 通関関連書類
などがあります。
これらはすべて輸出入の際に必要となる書類であり、1文字のミスがトラブルに繋がることもあるため、丁寧さと確認力が求められます。
また、通関手続きは専門業者が行うことが多いため、貿易事務の担当者はそのサポートをする立場となります。
たとえば、必要な書類をまとめて送付したり、進捗を確認したりするなどの補助業務が中心です。
このように、書類が中心で決まった手順を守る仕事であるため、未経験の方でも覚えやすく、真面目にコツコツ取り組める方には向いている分野です。

未経験からでも始められる?必要なスキルとは
英語以外で求められるスキルとその理由
貿易事務の仕事において、英語が必須ではない求人も多く存在します。
では、英語以外でどのようなスキルが求められるのでしょうか。
ポイントは「正確に」「効率よく」「丁寧に」業務をこなすための力です。
たとえば、数字やデータの入力作業が多いため、タイピングスキルやミスの少ない作業力が評価されます。
また、貿易は多くの人や企業と関わる仕事なので、報連相(報告・連絡・相談)がきちんとできる人も求められます。
さらに、提出期限のある書類も多いため、スケジュール管理能力や責任感も重要です。
パソコンスキルと業務で使う主なツール
貿易事務で使われるツールは、基本的にどれも初心者でも習得できるものが多いです。
最もよく使うのは、Excel・Word・メールソフト(Outlookなど)です。
これらを使って、納期管理表の作成、請求書の作成、取引先とのやり取りなどを行います。
以下の表に主なツールとその用途をまとめました。
ツール名 | 主な用途 | 難易度 |
コメント |
---|---|---|---|
Excel | 納期管理、在庫表、請求書作成 |
中 |
基本操作ができれば問題なし |
Word | 議事録や報告書の作成 | 低 | 書式に従って入力するだけ |
Outlook等 | メール対応、スケジュール管理 | 中 | 定型文を使って効率化可能 |
社内システム | 受発注や在庫の管理 | 中 |
マニュアルあり。 使い方も丁寧に教えてもらえるケースが多い |
Excelに自信がない場合でも、無料の学習サイトや動画で簡単に練習できるので、学習を始めやすい分野です。

コミュニケーション力が活かされるシーン
貿易事務は「モクモク作業」のイメージがありますが、実際には社内の営業担当や物流会社、時には取引先とのやり取りも発生します。
そうした中で、「伝わる」コミュニケーションができる人は、とても重宝されます。
たとえば
「納期に変更があった際に的確に社内へ共有できる」
「分からないことを素直に質問できる」
といった行動は、信頼を得るうえで非常に重要です。
人と話すのが好きな人、相手の話をよく聞くのが得意な人には、意外とぴったりな仕事といえるでしょう。
通関業務など補助的な業務からのステップアップ
未経験者が最初に担当することが多いのは、通関書類の準備やデータ入力などの補助的な業務です。
こうした業務を通じて、貿易の流れや用語、書類の種類を自然と覚えていくことができます。
最初は「これは何の書類?」「何のために必要?」という疑問だらけでも、1~2ヶ月もすれば一通りの流れが理解できるようになります。
そして、仕事に慣れてきたら、輸出入のスケジュール調整や取引先との連絡業務など、より上流の業務にチャレンジするチャンスも出てきます。
このように最初はサポート業務からスタートして、少しずつステップアップしていける環境が多いため、未経験の方でも安心してキャリアを積むことができます。

英語が苦手でもキャリアアップできる資格一覧
TOEICスコアは本当に必要?
「貿易事務にはTOEICが必須」と思っていませんか?
実際のところ、TOEICスコアは企業によって評価基準が大きく異なります。
確かに英語力が高い方が有利な職場もありますが、「英語不要」と明記している求人や、社内で英語対応を分担している職場では、TOEICの点数が選考に大きく影響しないケースも多いです。
もしTOEICを学ぶ場合でも、まずは500点〜600点を目指せば十分です。
特に英語に苦手意識がある方は、点数にこだわらず基礎から慣れるという姿勢で取り組むことをおすすめします。
実務に役立つ資格(貿易実務検定・通関士など)
英語が苦手な方でも取得しやすく、仕事に直結する資格として人気があるのが「貿易実務検定」や「通関士」です。
資格名 | 難易度 |
特徴 |
---|---|---|
貿易実務検定(C級) | ★☆☆ | 初心者向け。貿易の基本知識を証明できる |
通関士 | ★★★ | 国家資格。取得すれば通関の専門職として働ける |
IATAディプロマ | ★★☆ | 航空貨物の知識が身に付き、物流系企業で有利 |
特に貿易実務検定C級は、独学でも取得可能で、試験も年に複数回あるため、働きながらでも挑戦しやすいのが魅力です。
資格があることで、未経験でも「意欲がある」と判断されやすくなります。

資格がなくても即戦力と見なされる条件とは
資格を持っていないからといって、絶対に受からないというわけではありません。
業務に役立つスキルを持っていれば、資格がなくても即戦力と見なされるケースは多々あります。
以下のような条件があると、実務経験がなくても評価されやすくなります。
- Excel・Wordの基本操作ができる
- ビジネスメールや電話対応の経験がある
- 社会人としてのマナーが身に付いている
- 丁寧な仕事が得意(入力ミスが少ない)
- 長期的に勤務する意思がある
資格はプラス材料ですが、なくても評価されるポイントはたくさんあるということを、しっかり伝えてあげましょう。
成長を加速させる資格の選び方
どの資格を取るべきか迷ったときは、「キャリアの目標」から逆算して考えることがポイントです。
以下のように整理できます。
目標 | オススメ資格 |
---|---|
未経験でも採用されたい | 貿易実務検定C級、MOS(Excel |
長期的に専門性を高めたい | 通関士、IATAディプロマ |
英語ができなくても有利になりたい | 日本語ベースで学べる資格を優先する |
まずは1つだけでも取ってみる姿勢が、行動の第一歩になります。
難しいものではなく、やれば取れるレベルの資格から始めましょう。

実務未経験からの転職成功術
未経験OKの求人に多い職場や企業の特徴
未経験から貿易事務への転職を考える場合、求人選びはとても重要です。
特に「未経験OK」と明記されている求人は、企業側が教育体制を整えている可能性が高く、安心してチャレンジできます。
未経験歓迎の求人が多いのは、以下のような職場です。
中小企業の貿易部門:柔軟な採用基準を持ち、人物重視の採用が多い。
物流・通関会社:書類作成や手配業務などで未経験からの育成に慣れている。
派遣会社経由の企業:「紹介予定派遣」など、まずは派遣からスタートし、正社員を目指せる仕組みがある。
こうした職場では経験よりも人柄や意欲を重視する傾向があり、異業種からの転職者も多く活躍しています。
求人票に「OJTあり」「研修制度あり」などの表記があるかも確認しましょう。

履歴書・面接で押さえるべきアピールポイント
未経験でも採用されるためには、履歴書と面接でのアピールがカギになります。
経験がないことをマイナスに感じる必要はありません。
重要なのは、これまでの経験をどう貿易事務に活かせるかを伝えることです。
また、事務職を目指す明確な理由や、将来的な目標があると、より印象が良くなります。
たとえば、長く安定して働けるスキルを身につけたい、将来的に通関士などの資格を取得して専門性を高めたいなど、前向きな意欲を伝えることが大切です。
長期的なキャリア戦略とスキルの磨き方
貿易事務の仕事は、経験を積めば積むほどできることが増え、スキルアップに直結します。
最初は補助的な業務が中心でも、意欲的にスキルを身につけることで、数年後には専門性の高い業務を任されるようになります。
以下は、キャリア戦略の一例です。
キャリア年数 | 主な業務内容 | 習得スキル例 |
---|---|---|
1年目 | 書類作成・データ入力・納期管理 | 貿易用語、Excel、正確性、調整力 |
2〜3年目 | 顧客対応、通関書類対応、輸出入管理 | 英語の読み書き、交渉力、優先順位判断 |
4年目以降 | 業務全体の管理、後輩指導、資格取得 | マネジメント力、通関士資格など |
将来を見据えた行動を今から始めることで、「事務職」としての市場価値が上がり、より良い条件の職場にステップアップすることが可能になります。

今日からできる!学習の始め方と継続のコツ
自分に合った教材の選び方(オンライン/通学)
資格やスキルを身につけるためには、まず自分に合った学習方法を見つけることが大切です。
現在では、働きながら学べる教材やサービスが多く揃っており、「時間がない」「お金がない」といった悩みを持つ方でも、取り組みやすい環境が整っています。
以下に、主な学習方法の比較をまとめました。
学習スタイル | 特徴 | 向いている人 |
---|---|---|
オンライン学習 | スマホやPCで手軽に学べる/費用も比較的安価 | 忙しくて通学が難しい人 |
通学講座 | 直接講師に質問できる/仲間と学べる | モチベーション維持が苦手な人 |
書籍・参考書 | 自分のペースで進められる/費用が最も安い | 自主的にコツコツ進められる人 |
「オンライン講座+テキストでの独学」の組み合わせは、特に未経験の方におすすめです。
スマホ1つで学習できる教材も増えているため、通勤時間やスキマ時間を活用して、少しずつでも知識を積み重ねていきましょう。
小さな経験を積み上げて実務に近づく方法
学習と並行して、実際の仕事に少しでも近い経験を積むことは、転職成功の大きなアドバンテージになります。
正社員でなくても、派遣や短期の事務補助、在宅ワークなど、小さな実務経験を積むことで、自信と実績の両方を得られます。
以下のようなステップが考えられます。
- 簡単な事務派遣やデータ入力の短期アルバイトに応募する
- 派遣会社の「未経験OK」案件にエントリーする
- クラウドワークスやココナラなどのサービスで業務体験をする
- 無料のインターンやスキルシェア講座に参加する
経験がなくても、「少しでも業務に触れた」という事実は大きな武器になります。
完璧な経験を求めるより、小さな実践を積み重ねることが、未経験からの転職成功につながる近道です。

さいごに
英語力に自信がなくても、貿易事務の仕事に就くことは十分可能です。
未経験からでもチャレンジできる職場は多く、スキルや資格は働きながら身につけていくことができます。
まずは、今回ご紹介した内容を参考に、自分にできそうなことから始めてみてください。
学習や実務経験を少しずつ積み重ねることで、あなたの可能性は確実に広がっていきます。
「英語が苦手だから」とあきらめず、理想の働き方に近づく第一歩を、今日から踏み出してみましょう。